マラッカの時計台とは、マレーシアマラッカ州の州都マラッカのオランダ広場内に建つ時計台です。マラッカは、世界遺産に登録されたマレーシア最古の都市で、過去長い間ヨーロッパの列強各国に支配されていたことから、現在も植民地時代のヨーロッパ建築が多く存在しています。オランダ広場は、マラッカがオランダの統治下にあった時代のオランダ式建築物が多く建ち並んでおり、広場内には時計台の他に、教会やスタダイス（議事堂）などがあります。
歴史
1886年、プラナカン（中華系移民の子孫）の豪商タン・ベン・スィ氏により、この時計台は建立されました。亡くなった父親タン・キム・セン氏へ弔意を込めて建立されたもので、時計台の正式な名称は「タン・キム時計塔」といいます。建立当時は英国製機械式の時計でしたが、1982年に時計台の改修が行われた際、日本の有名時計メーカー「セイコー」が、1982年8月31日の独立記念日に時計を寄付し、現在はセイコーの時計が使用されています。
見どころ
時計台をはじめ、教会やスタダイスなどのオランダ広場内の建物は、鮮やかな赤色の壁が印象的なオランダ式建築で建てられていて、その優雅な外観は見どころの一つです。広場には、土産物を売る露店が並んでいたり、トライショーと呼ばれる人力三輪車のタクシーが多く停まっていたりして、マラッカの代表的な観光地として賑わいを見せています。広場の近くには、日本でもよく知られているキリスト教宣教師「フランシスコ・ザビエル」の墓地があったとされるセント・ポール教会史跡があります。
