カタルーニャ建築家協会は、カテドラル(=サンタ・エウラリア大聖堂)前のノヴァ広場にある現代の建物です。観光スポットとして人気を集めているのは、正面上部にある通称「ピカソの壁」。パブロ・ピカソの絵が描かれているコンクリート壁です。ただし、完成当時は「子どもの落書きにしか見えない」ということで、大きな議論を巻き起こした装飾でした。しかし今では世界中からこれを見に訪れる観光客が絶えなくなっています。
歴史
カタルーニャ建築家協会がこの場所に本部を構えるにあたり、ピカソに建築の装飾デザインを依頼したのでした。構想を聞いたピカソは、オスロ市庁舎でも試みたサンドブラストという技法を使ったコンクリート壁にすることを提案しました。ピカソの描いた原画をノルウェーの芸術家によって忠実に再現され、1962年に完成しました。完成時は向かいに建つカテドラルの大司教にも批判されるなどしましたが、今では歴史遺産になっています。
見どころ
観光客などが多く行き来する広場にありますが、白地に掘り込んだピカソの壁は、周囲の光景の中にまぎれ、うっかりすると見過ごしてしまうかも知れません。そんな地味な線描で表現されたピカソ晩年の生命の歌。じっくり鑑賞してみるのがおすすめです。また、カタルーニャ建築家協会の建物の1階には「ピカソ・スペース」というギャラリーもあります。ここにもピカソ原画のコンクリート壁があり、ギャラリーは小展示や集会などに利用されています。