サロベツ原野(サロベツげんや)は、北海道北部にある、豊富町と幌延町の海岸線沿いに広がる湿原です。独特の植生が豊富に見られることから、一部の区域は、特にサロベツ原生花園と呼ばれることもあります。湿原の規模は、200平方kmにも及ぶ広大なものとなっています。2005年11月8日には、ラムサール条約に登録されました。サロベツの地名は、アイヌ語の「サルオペツ」(アシの生える川)の転化に由来しています。上サロベツ原野と、下サロベツ原野に分かれ、後者は利尻礼文サロベツ国立公園の特別保護地区であり、ペンケ沼や、パンケ沼といった沼地が点在しています。泥炭性の低湿地であり、海岸砂丘と、その背後にある宗谷丘陵によって阻まれた潟湖が、泥炭による、長い堆積作用によって形成されました。また、国指定サロベツに指定されています(面積2,560ha、全域が特別保護地区)。
見どころ
サロベツ原野には、毎年多くの渡り鳥が飛来し、エサをついばむ光景が見られます。この一帯は、国立公園に指定されており、また、鳥獣保護区(集団渡来地)にも指定されているため、鳥たちにとっては、安全でこの上ない環境と言えるでしょう。湿原には多くの鳥たちのエサが豊富にあるため、鳥の楽園ともいえる場所です。