京都市の西、右京区にある真言宗大覚寺派の尼寺で、竹林と楓に囲まれた、つつましやかで小さなお寺です。ご本尊は大日如来です。祇王・祇女の墓といわれる宝筐印塔(ほうきょういんとう)、清盛の五輪の石塔のある苔と紅葉の名所でもあります。アクセスは、阪急嵐山線「嵐山」駅、または京福嵐山線「嵐山」駅から市バスで「嵯峨釈迦堂前」から徒歩15分ほどです。拝観料は大人300円(小学生100円)、拝観時間は午前9時から午後5時までで、見学所要時間は約20分です。
歴史
法然の門弟である浄土宗の僧・良鎮により創建されました。平家物語には、こんな逸話があります。平清盛の寵愛を受けた白拍子祇王(ぎおう)が、やがて清盛が仏御前に心変わりしたことを悲しみ、世を儚んで、妹の祇女(ぎじょ)、母刀自(ははとじ)とともに出家しました。その後、清盛の寵を受けるようになったはずの仏御前までもが世を儚み、出家の道を選びました。その彼女らが出家した寺がこの祇王寺と伝えられています。
見どころ
祇王寺の門前には竹林を見渡せるちょっとしたスペースがあり、「祇王の小径(こみち)」と呼ばれています。お土産探し、お茶を一服などに使えます。門をくぐると、美しい苔が広がる庭園があります。また、130本もの楓が苔庭を囲んでいるため、紅葉のシーズンには散り紅葉で緑の苔が赤いじゅうたんのようになります。庭園奥の庵の中には大きな丸い「吉野窓」がありますが、この窓は、影が虹色に見えることから「虹の窓」とも言われています。