長崎県の北西に位置する平戸市。大航海時代の城下町として重要は役割を担っていた平戸は、かつて西の都"Firando"と呼ばれた国際貿易港でした。遣隋使、遣唐使の時代には中国大陸に渡る際の寄港地として、弘法大師や栄西なども平戸に立ち寄りました。戦国時代にはポルトガル船が来訪し、南蛮貿易が行われました。また、フランシスコ・ザビエルも平戸を訪れ、キリスト教が爆発的に広がっていきます。その後禁教の動きが強まると、信者たちは「潜伏キリシタン」として信仰を守っていました。明治になり禁教が解け、平戸にも次々と教会が建ちますが、生月島・平戸島西海岸部の潜伏キリシタンの多くは「かくれキリシタン」として禁教時代と同じ信仰を守り続けています。世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産になってる「春日集落と安満岳」および「中江ノ島」はもちろん、宝亀教会や紐差教会など、その歴史を今に伝える重要な景観は、平戸に来たらぜひ見ていただきたいポイントです。平戸は歴史だけでなく、西海国立公園に指定されている大自然や砂糖伝来の食文化など、見どころ満載です。