東院庭園とは、平城宮の一角にある区画の名称です。かつて東宮、東院と呼ばれていた皇太子の宮殿があった場所があり、その南東端に池があります。東西60メートル、南北60メートルほどの池で、この池を中心に構成されていく区画のことを東院庭園と呼ぶのです。入園料は無料で、開園時間は午前9時から午後4時30分まで、入園は午後4時までとなっています。休園日は月曜日と年末年始です。ただし月曜が祝日の場合はその翌日が休園日となっています。
歴史
奈良時代の庭園である東院庭園ですが、近代になってこれが発見されたのは1967年のことです。平城宮東張出し部分の南東の隅に、大きな庭園の遺跡が発見されたのです。この発見された庭園は続日本記に記述されている東院に該当することから、東院庭園という呼称が名づけられました。それまでは古い文献を頼りにその様子をうかがうのみであった奈良時代の庭園でしたが、東院庭園が発見されたことによって庭園部分とその周辺一帯の様相が明らかになったのです。
見どころ
東院庭園の見どころは、庭園の中心となっている池でしょう。池の西岸には中央の建物の露台が張り出されており、露台から東岸にかけて橋が架かっています。北端の築山石組み、西端部の中島もこの庭園の景観の重要な焦点となっており、いずれも美しく調和しています。奈良時代の庭園がいかに美しいものであったかを偲ばせる池であり、平安以降の庭園の原型ともなった非常に重要な遺跡でもあるとも言えるでしょう。訪れた際には歴史に感銘するとともに、美しい景観を楽しんでみてください。