16世紀の琉球王国(尚真王時代)の御嶽。この御嶽は国王が首里城を出て各地に巡航する旅に出る際必ず安全を祈願した拝所で、琉球国最高位神女(聞声大君)の即位式の際にも最初にここでお参りをしました。国家行事と密着した重要な御嶽。いわば国家の聖地でした。琉球王朝に命じられて編集した琉球各地の名所旧跡、御嶽、年中行事等を記した地誌「琉球国旧記」には「この神に祈れば必ず己に応ず」と書かれていて、いま現在でも大勢の人が拝礼に訪れているそうです。
園比屋武御嶽石門は、日本と中国の木造建築にある様式を全て石造りで表現しています。中央部分が高くなだらかに流れる曲線を持つ屋根は日本の寺院によく見かける形です。アーチの門も一見すると石を噛み合わせたように見えますが、石を弓型状に削った手の込んだものです。目の錯覚を利用した遠近法が用いられていて、石門を復元するときは困難を極めたそうです。雨風にさらされた石灰岩の白と黒のコントラストもまた歴史を感じるいい味がでているのでぜひ、ゆっくりご覧になってください。
参加した日はあいにくの雨降りでしたか、ガイドさんが屋根のあるポイントで説明してくださって配慮いただきました。私は那覇まちまーいの首里城は2回目の参加でしたが、ガイドさんによって説明のポイントが異なるのがまた興味深く今回も勉強になりました。