天満橋は、大阪市内の大川に架かるゲルバー桁橋です。大阪市の中心部に立地しているため、観光客も頻繁に利用する橋梁となります。戦前の3大ゲルバー橋の一つで、隅田川の言問橋や両国橋とよく比較されてきました。橋は上路式となり、開放感のある眺めが特徴です。桁下空間を確保するために採用された形式ですが、歩行者にとっても快適な橋です。橋の上からの大川の桜並木の眺めが見事ですが、頻繁に往来する船舶の姿も美しいものです。
歴史
天満橋は江戸時代に開架され、かつては公儀橋に指定されていました。大坂の城下町にとっては防衛の拠点であり、舟運の中継点としても重要でした。明治時代初期までは木橋でしたが、1885年の淀川大洪水の後に堅牢な鉄橋に架け替えられました。鉄橋はドイツから輸入した鋼材を用いて架設されましたが、荷重による揺れの問題がありました。そのため、1935年に現在の天満橋の形式となりました。現在では、浪速の名橋50選の一つに選ばれる土木遺産として大切にされています。
見どころ
天満橋の西側においては、堂島川と土佐堀川の2つの流路があり、中心部の中洲は中之島と呼ばれています。中洲にある中之島公園はバラの名所として人気で、大阪の観光名所の一つとなっています。天満橋の南東側には大阪城があり、上町台地という地形になります。大阪城からの散策コースとして、大川沿いを歩くことも人気です。大川の景色は夜には違ったものとなり、風情ある景観が広がります。花見の時期には夜桜見物をしながら、大川の水辺の風景を楽しめます。