六義園（りくぎえん）は東京都文京区にある小高い築山（つきやま）と広い池を持つ江戸時代の「回遊式築山庭園」です。5代将軍徳川綱吉（つなよし）から土地を賜った側用人・柳沢吉保が7年の歳月を費やして造園しました。平坦な土地だったため人工的に池や山を築き起伏のある自然な庭園を造りました。六義園の名は中国の漢詩の流れをくむ和歌の六体に由来し、柳沢吉保の文学的造詣の深さをあらわしています。8万7809平米の敷地に多種の高木や低木が茂り、桜やサツキ、ツツジ、紅葉など、年間を通して美しい光景を見ることができる庭園です。
歴史
六義園は江戸時代の日本庭園です。幕府の重鎮である側用人、柳沢吉保は、元禄8年（1695年）5代将軍徳川綱吉から土地を賜り、7年の歳月を費やして回遊式築山庭園を造園し、元禄15年(1702年)に完成しました。ここは武蔵野の平坦な地形であったため、池を掘り、山を築き、千川上水の水を引いて大泉水を造りました。庭園は非常に高く評価され、将軍綱吉は記録されているだけでも58回も訪れています。明治時代には三菱の創業者である岩崎家の所有となり、昭和13年に東京市に寄付されて一般公開されるようになりました。関東大震災や東京大空襲の被害もほとんど受けず、今なお江戸時代の面影を残している貴重な庭園で、戦後の昭和28年3月31日に国の特別名勝に指定されました。
見どころ
六義園は東京の中心地にある江戸時代の風情を今に伝える庭園で、桜や紅葉の名所として親しまれています。5代将軍綱吉がこよなく愛した名庭園で、国の特別名勝にも指定されています。六義園はツツジの花が特に知られ、また庭園入口近くにある枝垂桜は3月末に見事に咲き誇ります。桜と紅葉の時期にはライトアップされ、多くの見物客が訪れます。庭園の芝生もきれいに整備されていて、東京を代表する日本庭園として名高く、海外からの観光客も多く訪れています。
