ケタレロは、メキシコのケレタロ州の都市であり、基礎自治体です。その歴史地区のあちこちに、人々が親しみを込めて「水の箱」と呼ぶ当時の水汲み場が大切に保存されています。そして、水の箱に貴重な飲み水を届けた水道橋は今も歴史地区のシンボルとして堂々とそびえています。アクセス方法としては、メキシコシティの北バスターミナルから高速バスで約3時間が一般的です。
歴史
18世紀、ケレタロは工業化が進み、工場の排水で川が汚染されました。飲み水が不足し、市民の健康に害を及ぼす重大な問題でした。資産家で街の有力者だったウルティア公爵は、水源を探し回り山間の村に泉を見つけ、泉の水を街に運ぶ壮大な水道橋の建設に乗り出しました。水道橋の終着点である修道院を通った神の水が、街に設けられたいくつもの水の箱に配られていきました。石でできた水の箱には、瓶で水を汲んだ当時の人々のひじの跡が残っています。
見どころ
サンタクルス修道院を終点とする水道橋の長さは地下水路の部分を含め約5km（水道橋は約4km）もあります。新たな上水道の整備などが進み、老朽化した水道橋は大部分が壊されましたが、現存する水道橋は砂岩と煉瓦を漆喰で塗り固め、見事に修復されています。それは長さ1280m、最も高い箇所が23mで、74個のピンクのアーチになっています。修道院の87歳の神父によれば、この水道橋は1953年まで水が流れていたといいます。展望台から眺める水道橋はすごく雄大なもので、まるで町を見渡すように架けられた長い陸橋のようです。
