タスマニアはオーストラリアの南にある島で、州の一つになっています。島の約4割は国立公園や自然保護区になっており、自然豊かなその場所には2つの世界遺産が存在しています。
一つは「タスマニア原生地域」です。多くの国立公園のうち4つ、南西国立公園、フランクリン・ゴードン・ワイルドリバーズ国立公園、クレードル・マウンテン・レイクセントクレア国立公園が世界遺産に登録されています。多種多様な動植物がそのままの姿で残っているという自然の豊かさもさることながら、峡谷にある洞窟の中には3万1000年前から住んでいたアボリジナル・ピープルの住居跡が残されているなど、歴史的側面からも非常に貴重なエリアであることから、世界複合遺産として登録されています。
二つ目は世界文化遺産として登録されている「オーストラリアの囚人遺跡群」の一つ、「ポート・アーサー史跡」です。1833年に流刑植民地としての開拓が始まり、脱出はほぼ不可能と言われた厳しい刑務所でした。現在はその美しい景観を活かし、観光地に変貌を遂げています。ガイド付きツアーで囚人たちの過酷な生活を学びながら、歴史的な重要性を理解することができます。