ケルト 大自然と歴史:ケルト文化 アイルランドにみるヨーロッパの源流 -VELTRA

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ケルト文化 アイルランドにみるヨーロッパの源流

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ケルトを知る上で重要となってくるのが、キリスト教が普及する以前から彼らが信仰していたドルイド(Druid)教です。この土着の信仰では、太陽と大地の古い神々を信じ、あらゆる生き物の中に霊的な存在を見いだしていました。つまり「自然」と「宇宙」と「自己」を一体化する思想であり、ここから「霊魂不滅」や「輪廻転生」などの考え方が形成されていったと考えられています。これらの思想は、日本人にも馴染みの深い自然一体化思想ともいえるでしょう。実際、ケルトの神話や伝説では、人間が動物に生まれ変わったり、神が英雄になったり、英雄が妖精と結婚したり、妖精が人間の子供を産んだりと、神、人間、妖精がめまぐるしく入れ替わり(転生)しています。

ヨーロッパ諸国との文化的な融合は、ローマ帝国時代や、後のゲルマン民族の大移動から本格化します。ブリテン島から来たケルト人をフランスではブルトン人と呼び、彼らが住む地域をブルターニュと呼ぶようになったのは有名な話です。またベルガエ(ケルト語で戦士)と呼ばれるケルト部族が定住するガリア地域での戦闘を振り返った当時のローマ帝国のカエサルが、彼の著書「ガリア戦記」でケルト民族の勇猛果敢さを記しており、このベルガエ(Belgae)は現在のベルギーの語源となりました。その他にも、ロンドン、パリ、といったヨーロッパ主要都市名も、実はケルト語であることはよく知られており*、ケルト文化がヨーロッパのいたるところに広く深く根付いていったことをうかがわせます。

アイルランドを旅行することは、単なる観光旅行にとどまらないヨーロッパの源流をたどる知的な旅になる、といってもいいでしょう。

*(ロンドン:沼地を意味する Lyndyn / パリ:セーヌ川で船にのる人=Parisii部族)

世界遺産

ジャイアンツ・コーズウェイ (Giant's Causeway) [ 北アイルランド ]

ジャイアンツ・コーズウェイ

5000万年前の火山活動により噴出した溶岩の冷却過程で六角形のパイプオルガンのような不思議な対称型の玄武岩の柱となったもので、その数4万本ともいわれています。

伝説では、フィンマックールという巨人が造ったとされるこの道。彼が遠く離れたスコットランドの敵ベナンドナーとの戦いの際に通ったと言われています。

最寄の街はポートラッシュですが、北アイルランド最大の都市ベルファストを拠点にした車または列車での日帰り旅行も人気です。

ニューグレンジ (Newgrange) ボイン渓谷遺跡群

ニューグレンジ

ピラミッドよりも古い巨石遺跡でヨーロッパにおける最も重要な史跡のひとつといわれるニューグレンジ(アイルランド語で「太陽の洞窟」)。直径は約100m、利用された石は20万トンといわれ、少しずつずらしながら積み上げられた石の屋根は、紀元前3200年に作られてから5000年以上を過ぎた今も雨もれすることもなく、先史の知恵を今に伝えています。再発見が1699年と比較的近代だったことも侵略者から遺跡を守り、保存状態の良さに寄与しています。

最寄の街はダブリンから北50kmのドロヘダですが、ダブリンからの日帰りバスツアーも多く出ており、アイルランド観光では、見逃せない定番の名所旧跡です。

≫『ニューグレンジ ボイン渓谷遺跡群』に関連する現地ツアーはこちら

スケリッグ・マイケル(Skellig Michael)

スケリッグ・マイケル

「ミカエルの岩」の意)とはアイルランド島の南西部ケリー県の沖合16キロメートルに位置する、鋭角の岩山からなる孤島。西暦588年に標高200メートルの島の山頂付近に聖フィオナンにより最初の修道院が建てられたと言われています。ヨーロッパに現存する最古の初期キリスト教遺跡として、1996年に世界遺産に登録されています。

島の位置とその急峻さにより、現在にいたるまで修道院はその原型を良くとどめ、アイルランドにおける初期キリスト教の僧侶たちは垂直に切り立った崖の下に、石を積み上げてつくった小屋で静かに暮らしていたようです。

人気観光名所

モハーの断崖

モハーの断崖

アイルランド最大の観光名所、大西洋の海岸線に面するクレア県にあるモハーの断崖(Cliffs of Moher)は、アイルランドの中でもっとも壮大な景観美のある所として知られており年間100万人が訪れる観光地です。

最も高い位置は地上230mもあり、これが南北8kmに渡る断崖としてつらなっています。よく晴れた日にはここから、ゴールウェイ湾にあるアラン諸島が見えたり、コネマラの山々を見ることもできます。この断崖は南方に位置するHag's Headから、最も高い地点にあるオブライエン塔の少し北側まで続いています。

≫『モハーの断崖』に関連する現地ツアーはこちら

コネマラ国立公園

コネマラ国立公園

コネマラ地方は、アイルランド西海岸の街ゴールウェイから気軽に行けるロケーションにあります。雄大な山々と無数の湖沼が点在し、人の手がほとんどはいっていないとも言われている原始からの大自然豊かな国立公園です。

公園内にあるダイヤモンド・ヒル(425m/約7km)は、世界中のネイチャー志向派の注目の的です。歩道は整備されているため、歩きやすいウォーキング・コースになっており、特に頂上からの360度パノラマ展望は一見の価値ありです。普通の観光名所ツアーではなく、自然探索のエコツーリズムを体験するにはベストな観光地です。

≫『コネマラ国立公園』に関連する現地ツアーはこちら

ディングル半島

ディングル半島

キラーニーの街から北西にあるディングル半島は、ヨーロッパ最西端の地として近年特に多くの観光客で賑わいます。緩やかにうねる緑の丘、海に突き出るような断崖絶壁、それにどこまでも続くかのような美しい砂浜など変化に富んだ景観は、島内でも屈指の景観美を誇ります。また半島に点在する無数に残された遺跡や、各地で語り継がれてきた民話が人々を惹きつけてきました。多くのアーティストに影響を与え、映画(「ライアンの娘」、「遥かなる大地へ」)や文学の舞台としてもたびたび登場しています。コネマラ地方と並んで、日常語としてゲール語が使われている「ゲールタクト」と中心地でもあります。ディングル湾に20年以上も住みつくイルカ「フォンギ」に会えるボートトリップもお勧めです。

ウィックロー国立公園

ウィックロー国立公園

首都ダブリンの近郊に位置し、雄大な渓谷美に代表される豊かな自然に恵まれ、別名「アイルランドの庭」とも呼ばれるウィックロー地方。島内最大級の庭園「パワーズコート」をはじめ、夏季は様々な花で色とりどりに彩られるプライベート・ガーデンも一般旅行者に開放され見学できるため、ダブリンを中心とするショート・ステイにもピッタリの観光地です。

8月から9月にかけては、一面の山肌が紫色のカーペットのように染まるヒース(エリカ)が見ごろ。その美しい風景は現在公開中の「P.S. I Love You」のロケ地として紹介されています。国立公園内では、グレンダロッホなどの修道院遺跡の見学のほか、木道が整備された歩き易いウォーキングルートも多数あり、気軽に大自然を体感することができます。

≫『ウィックロー国立公園』に関連する現地ツアーはこちら

歴史(巨石文化、ケルト十字架、コーヴ、ベルファスト、タイタニック)

巨石文化 世界遺産の数々は、ケルト文化

ポールナブローン

有史以前からアイルランド島に居住していたケルトの人々。イギリス、アイルランドの草原や丘陵に点在する謎めいた巨石群、ドルメンやストーンサークルにその文化レベルの高さをみてとることができます。

中でも、クレア県の荒涼としたバレン地方にあるポールナブローンのドルメンは有名で、一説によると、ストーンヘンジなどの円形(サークル系)の巨石文化は、ブリテン島からアイルランドに、逆にドルメン(テーブル系)の巨石文化は、アイルランド島からブリテン島へと伝承したともいわれています。

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ケルト十字架 (ハイクロス)

ケルト十字架

キリスト教は、アイルランドでの布教の際、思慮深い聖パトリックにより現地古来の宗教である「ケルト信仰」とキリスト教を融和する形で布教。キリスト教のシンボルであるラテン十字の後ろに太陽のシンボルである円を組み合わせ「ケルト十字(ハイクロス)」とし、十字の重要性を異教の信者に伝えました。

6世紀頃の初期キリスト教修道院として、グレンダロッホ、クロンマクノイズ、モナスターボイス(写真)などがあります。周囲は豊かな森林やきれいな川に囲まれているので、自然探索もお薦めです。これらの修道院には、ダブリンから片道1~2時間。現地ツアーバスを利用していくことができます。

移民の街 Cobh (コーヴ)

コーヴ

タイタニック号の運命の処女航海で、最後の寄港地がコーク県にあるコーヴ(Cobh)でした。かつてイギリスの統治下だった時代はクイーンズタウンと呼ばれたこの街からは、数百万人のアイルランド人が、移民として新天地を求めアメリカ大陸へと渡っていきました。街には移民の歴史を紹介した博物館クイーンズタウン・ストーリー(The Queenstown Story)が見学できるほか、港に面する丘の上に建つアイルランドでも最大級のカリヨン(鐘楼)を誇る聖コルマン大聖堂(St Colman’s cathedral)は見逃せません。また、タイタニックゆかりの場所を訪ねる「タイタニック・トレイル」ウォーキング・ツアーも人気があります。地理的な利便性もあり、当時希望の国アメリカにもっとも近いヨーロッパの港町、それがコーブだったのです。

造船の街 Belfast (ベルファスト)[ 北アイルランド ]

リバーダンス

タイタニック号のオーナー、ホワイトスターライン社は、当時イギリスのライバル会社やドイツの船会社との大西洋航路のスピード競争に遅れをとっており、ゆえにスピードよりも船の豪華さで勝負したのがこのタイタニック号でした。

ベルファストは、当時ヨーロッパ最高の造船技術を誇る街で、18世紀からは工業都市として栄え、紡績産業も盛んでした。それまで手工業であったリネン製品は機械化で増産可能な輸出品として栄え、ベルファストは興盛を極めます。一時期はダブリンをもしのぐ人口を抱えた北アイルランド最大の都市。現在でも数多くのビクトリア調建築が残っており、街の雰囲気もイギリスの主要都市とよく似た親しみやすさで人気です。

また、「ミューラル」と呼ばれる壁に描かれた政治画は一見の価値あり。「ブラックタクシーツアー」を利用すれば手頃に短時間でみてまわれるので観光ルートにいれてみるのもよいでしょう。

『タイタニック』(Titanic)

タイタニック

監督:ジェームズ・キャメロン監督

主演:ジャック・ドーソン レオナルド・ディカプリオ ローズ・デウィット・ブケイター  ケイト・ウィンスレット

1912年のタイタニック号の遭難を背景にした映画。20世紀フォックス、パラマウント映画提供。全米興行収入は6億ドル、全世界興行収入は18億3500万ドルと、映画史上最高の興行収入を記録。2008年現在もこの記録は破られておらず、ギネスブックに登録されています。アカデミー賞作品賞などを受賞。

在外 アイルランド系移民

ニコール・キッドマン マライア・キャリー トム・クルーズ グレース・ケリー ウォルト・ディズニー マット・ディロン ジャック・ニコルソン ハリソン・フォード  マーロン・ブランド グレゴリー・ペック マイケル・ムーア ジュリア・ロバーツ ジェニファー・コネリー メル・ギブソン クリント・イーストウッド ジョン・ウェイン  ジョン・F・ケネディ ロナルド・レーガン ビル・クリントン

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