報国寺(竹寺)は、1334年に天岸慧広すなわち仏乗禅師により開山されました。鎌倉幕府滅亡の翌年のことです。仏乗禅師は休耕庵を建てて、修行をしながら詩作を楽しまれていました。開基は足利尊氏の祖父である足利家時です。1438年の永享の乱が起こるまで、鎌倉公方足利家とともに繁栄していましたこともあり、足利氏の墓所があります。昭和には、文豪からも愛されました。報国寺の領内に居住していた川端康成は、報国寺(竹寺)の界隈の様子を、山の音、と表現しています。
報国寺(竹寺)は、禅とお茶と竹の庭で知られています。夏でも涼しげに感じられる竹林が見事な境内です。竹は孟宗竹です。本堂の脇は、竹の庭入り口の表示がありますので、そのまま本堂の裏手に進むと、写真でも有名な竹の庭があります。整備された竹の庭の竹林は、整備が行き届いていて見事です。竹林の奥に茶屋の休耕庵があり、お茶と和菓子を味わえます。茶屋のそばには、枯山水の庭園があります。新緑の季節は鮮やかで美しく、梅雨の時期には苔も美しいです。迦葉堂では座禅会が開催されています。