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ならまち

ならまち(奈良町)は、奈良県奈良市の中心的市街地の南部に所在する歴史的町並みを残す地域の通称です。狭い街路において江戸時代以降、町屋が数多く建ち並んでいます。710年に平城京へ都が遷られた時に飛鳥の法興寺(飛鳥寺)が元興寺として平城京に移転し、この土地は、「平城(奈良)の飛鳥」と呼ばれました。この元興寺の旧境内中心とした地域全体を「ならまち」と呼ばれるようになりました。周辺を含む約49.3ヘクタールが、奈良市より「都市景観形成地区」に指定されています。
歴史
ならまちは、平城京の「外京」にあたり、当時の道筋を元に発展し長い歴史をもつ町です。平城京での遷都以降にまちづくりが始まり、南都と呼ばれる社寺のまち、商業のまち、観光のまちへと様々な時代背景の中、発展と衰退を繰り返してきた町でもあります。鎌倉時代には、大寺院の保護のもと、北市、南市、室町時代には、中市が開かれ商業が発達していきました。さらに社寺と結びついて手工業も発達して、郷に住む人々の経済力・政治力が向上しました。しかし、室町時代の後半には、下克上の風潮がおこり支配層の混乱があった為、次第に社寺の支配から離れ自治意識が高くなりました。中世以降元興寺の旧境内に様々な産業(筆・墨・蚊帳・晒・布団・刀・酒・醤油など)が発達し、江戸時代には、奈良奉行がおかれると、まちに活気を取り戻しました。奈良奉行の17世紀末の調査では、3万5千人の人口になっていました。

見どころ
現在では、町屋の原型を保ちつつ、現代風に改装された飲食店・雑貨店に公共文化施設、社寺が点在することから、奈良の新観光スポットとして注目を集めています。細かく入り組んだ跡地を歩いていくと、歴史的風情を楽しむ観光客たちで賑わっています。しかし、伝統的町屋がハウスメーカーによる近代的住宅に建て替える事例が散見され、景観形成上課題となっています。また極端な高齢化も進み貸家やアパートが少なく活力の維持が緊急の問題になっています。

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