パリ万国博覧会への出品作品をきっかけに、ガウディの才能を早くから見抜いていたスペイン人実業家グエルは、ガウディに初めは家具やインテリア、次第に建築物の依頼をするようになります。そのうちのひとつである、グエル別邸の出来栄えに満足した彼は、すぐにバルセロナ市内に建設予定の新居の話を持ち掛けます。ガウディは試行錯誤の末20以上もの案を作成し、最終的にグエルの選んだ案が採用となり、5年の建築期間を経て1890年にグエル邸は完成しました。完成当時から、評価の高かったこの建物は、1984年にグエル公園、カサ・ミラと共に世界遺産に登録されています。
【正面ファサード】入口部分の放物線のアーチや、それを飾る鉄製の曲線的な造形等、他では見ない特徴的な要素が見受けられます。中央の鳥の飾りは、カタルーニャの紋章を象ったものです。 【中央大広間】イスラム建築を意識して作られた大広間は全体的に重厚な雰囲気に包まれています。天井は約17メートルの吹き抜けで、屋根の部分はドーム型になっています。ドームに取り付けられた採光用の小窓から差し込む光は、真下から見上げてみる人を、まるで星空を見上げているような感覚にさせます。