クバール・スピアンは、カンボジアにあるアンコール遺跡のひとつです。シェムリアップから北へ50kmの郊外、シェムリアップ川の源流の川底、川辺に刻まれたヒンドゥー教彫刻の遺跡です。遺跡は山頂のエリアにあり、山の麓から山頂まで30~40分のトレッキングが必要になります。一部、坂の勾配の厳しい場所や、道が細く獣道のような場所もありますが、撤去しきれていない地雷の危険があるので、本道をそれずに進むことが必要になります。
歴史
クバール・スピアンは11世紀中頃、ウダヤディティヤバルマン2世によって彫られました。この王は、他にもバプーオン寺院や西バライ、西メボン寺院などを建てたとして知られています。クバルは「川」、スピアンは「底」という意味で、合わせて「川の源流」という名前の意味です。シェムリアップ川の源流200mの範囲にある彫刻の遺跡で、この神聖な空間を流れる水は聖水と化し、シェムリアップ全土を潤すように流れていくと伝わっています。
見どころ
クバール・スピアンでは、川底や川辺に、男根を象徴したリンガや女性器を象徴したヨニ、ヒンドゥー教のシヴァ神やヴィシュヌ神、カエル、古代文字などの彫刻が鑑賞できます。川底のリンガが多いほど、その上を流れた水はより聖なる力がみなぎるとされています。水の流れの底に見える遺跡はとても神秘的です。雨季で特に大雨の後は増水により彫刻が見えない場合もあり、逆に乾季には川の水がなくなり川底が露出している場合もあります。