【ガーデニング】シマトネリコの剪定|適切な時期と方法をプロが伝授
庭木の中でも人気のあるシマトネリコ。購入したときは、ひざより小さい位の大きさだったのに、気づいたら家の庇(ひさし)を超えるぐらい大きくなっていたということもあると思います。地面に植え付けられたシマトネリコは、生長がとっても早いので、5年もすれば高木となっていることも。
しかし、毎年定期的な剪定をすれば、高木になりにくく、日頃の管理も簡単です。
この記事では、シマトネリコの剪定、適切な剪定時期について紹介します。方法やコツを知っていれば園芸初心者でもできるので、ぜひこの記事を参考にしてやってみてください!
シマトネリコの剪定は自分でもできる
生長スピードが早く、放置すると大木になることもあるシマトネリコ。枝葉を伸ばしっ放しにしていると鬱蒼(うっそう)として、大きな壁のような圧迫感のある庭木となってしまうこともあります。
できるだけ、 年2回のペースで剪定をしてバッサリと枝葉を切り落とすことが大切 です。
筆者の経験上では、花が一度も咲かなかったシマトネリコが、剪定をした後に花を咲かせるようになり、秋には実が付きました。(ここで、雌の木ということが判明)
大きくなっても、枝葉が伸び過ぎていたら栄養が分散されて、花芽を付けにくくなってしまいます。
基本的には、混み合っている枝葉・不要な枝・枯れた枝を剪定するだけなので、ガーデニング初心者でもできます。
ただし、長い間放置していると剪定のハードルが上がって、作業に時間がかかってしまう場合も。強剪定で太い枝・幹を切り落とさなければならない場合もあるので、樹高や樹形が変わってきたら剪定をするように心がけましょう。
樹形が美しかった植えたばかりのころを思い出して、スタイリッシュなシマトネリコに仕立ててくださいね!
シマトネリコの適切な剪定時期|7月・10〜12月
沖縄・台湾・フィリピンなどに自生するシマトネリコは、 花が咲き終わる7月ごろか、生長の流れが緩やかになる10〜12月を目安に剪定 します。
暖かい環境が好きなので、氷点下を下回るような真冬の時期にシマトネリコを剪定すると枝葉が枯れてしまうこともあるので、1〜2月は避けましょう。
また、5〜6月は梅雨の時期なので、湿気によって菌が発生しやすく、切り口から混入してシマトネリコが病気にかかる場合もあるので注意してくださいね。
シマトネリコの剪定方法とコツ
生命力の強いシマトネリコは、剪定をしてからしばらく経つと、すぐにあちらこちらに新芽が出てきます。ガーデニング初心者でも枯らすことが難しいと思うので、ためらわずにバッサリと幹や枝葉を切り落としましょう。
枝葉が生い茂っていると、夏にアメリカシロヒトリの毛虫に食害される こともあります。
シマトネリコの高さ・幅のラインを決める
まず枝葉を切る前に、理想とするシマトネリコの高さと幅のラインを決めましょう。枝葉を余計に切り詰め過ぎたり、透かし過ぎたりすると樹形や木の見た目が悪くなり、修正に時間がかかることもあります。
ちなみに、ほうきを逆さまにしたような樹形をイメージしながら剪定すると、シマトネリコが不格好な樹形になることも少ないです。
ラインから出た不要な枝・樹形を乱す幹を切り落とす
次に、シマトネリコの仕上げラインから出た不要な枝、または樹形を乱す幹を枝分かれした箇所・根元から切り落としましょう。枝分かれした箇所の数ミリ上の部分で剪定するのがポイント。
また、ライン内に収まるほかのシマトネリコの株の内側で切ると切り口が見えず、不自然に見えにくいです。
以下がシマトネリコに生える不要な枝です。
- ひこばえ|シマトネリコの地面・根元から伸びる細い枝
- 立ち枝|シマトネリコの幹から伸びる太い枝から上に強く伸びる枝
- 平行枝|シマトネリコの幹から平行に同じ方向へ伸びる2本以上の枝
- 交差枝|シマトネリコの枝同士が十字に交差するような枝
- 逆さ枝|シマトネリコの根元に向かって伸びる逆さ枝
- 腹切り枝|シマトネリコの株の内側に向かって伸びる枝
不要な枝をたくさん伸ばしたままでいると、花や実の付きが悪くなります。
混み合った箇所を剪定する
株の混み合った箇所は、1本の枝から複数の枝が伸びていることが多いです。枝葉が重なり合っているとシマトネリコは鬱蒼とした悪い見た目になりやすいので、数を減らすように剪定しましょう。
枝先を切って輪郭を整える
最後に、ライン沿いにある太い枝先から伸びる細い枝葉を剪定し、シマトネリコの輪郭を整えます。ライン内に収まっているか、遠くからみたときに不格好ではないかなどチェックしながら剪定しましょう。
シマトネリコが大きくなり過ぎたときの剪定方法
自生地に生えるシマトネリコは、樹高が20mほどまで生長する高木です。 庭木でも環境によっては樹高が10mを超える ことも。シマトネリコの木が全体的に大きくなり過ぎてしまったときは、7月に太い幹や枝を強剪定しましょう。
背が高くなったときは、幹を切る
シマトネリコの木の高さを抑えたいときは、 幹を理想とする高さの節目、枝分かれ箇所の数ミリ上を剪定 します。
できるだけ、シマトネリコの背が高くなり過ぎないように、定期的に剪定しておくのも良いです。
株立ち樹形のシマトネリコは、幹の数を減らす
地面から幹が2本以上で立つ株立ち樹形のシマトネリコは、木の全体のバランスを確認しながら背の低いもの剪定します。
また、 幹同士の間隔が広くなるように、真ん中から伸びる幹を根本から切り落としましょう 。次の剪定時に、はさみやノコギリが入りやすくなります。
シマトネリコの剪定後にするべきこと
剪定や強剪定をして株に大きなストレスがかかってしまったシマトネリコには、アフターケアをしっかりとしましょう。
太い枝を切った箇所は癒合剤を塗る
剪定ばさみで太い枝や幹を切ると、切り口から病気の元となるウイルスが入ることもあります。また、真夏には水分が過剰に抜けて枝枯れをする場合も。シマトネリコの太い枝。幹を切った後は、癒合剤をしっかりと切り口に塗って殺菌とコーティングをしましょう。
特に太い幹を切ったときは、癒合剤があるとシマトネリコの枝葉が枯れにくく、傷口の治りも早いです。
水を与える
枝葉を切られると、シマトネリコは新しい芽を出そうとします。水分を多く必要とするので、水やりを定期的に行いましょう。
ただし、土の中が過湿しないように調整しながら水やりをしてくださいね!
鉢植えでは日当たりと風通しを良くする
鉢植えでシマトネリコを育てている場合は、鉢を日当たりと風通しの良い場所に移動させましょう。肌で涼しくて気持ちが良いと感じるような環境の良い場所を選ぶのが大切です。
定期的に剪定をして、花や実を楽しめる樹形の美しいシマトネリコに!
シマトネリコは、剪定をしないと大きくなり過ぎてしまう恐れがありますが、その反面初心者でも枯らしにくい生命力の強さを持っています。
剪定に不安がある方でも、まずは練習としてシマトネリコを切ってあげるのも良いかもしれません。剪定で樹形が不恰好になってしまっても、作業してから2〜3週間もするとすぐに新芽をたくさん伸ばし、半年も経てば樹形が良くなります。
まずはためらわずにバッサリと枝葉を切ってあげてください。そうすれば花や実も楽しめるようになりますよ!
やってみよっか?