嵐電でいく京都 洛西~令和最前線のロイヤル参拝~
京都の路面電車といえば嵐電です。今回は嵐電北野線で洛西エリアへ。
仁和寺は888年に宇多天皇が創建以来1000年に渡って皇族が門跡を務めました。近くの穴場もご紹介します。
※2022年9月21日に公開済みの記事を更新しました
嵐電とロイヤル寺院
ゆっくり嵐電が好き
嵐電は四条大宮と嵐山を結ぶ本線、北野白梅町へ続く支線の北野線があります。
京都市街地の烏丸や四条からは、四条大宮駅が発着で、しばらく
街中の路上
を走ります。
料金は本線・支線含めて
一律220円
という分かり安さで、SuicaなどのIC系決済も使えます。
ゆったり各駅停車で、両側の風景を眺めながら目的地へ。
嵐電京福電気鉄道株式会社
- 鉄道部運輸課 電話:075-801-2511
「世界遺産」仁和寺
御室仁和寺駅は、仁和寺の最寄り駅ですが、降りるとそこから参道がはじまっている感覚です。
二王門から中門にいたる真っ直ぐな参道は、だだっ広い広場のようで、余裕を感じさせます。
どこか
皇居にも似た、ロイヤルな雰囲気
が漂います。皇族の住む「
御室御所
」と呼ばれた場所です。
皇族が住んだエリア
参道の途中に
透かし彫刻
で有名な勅使門があり、その先は「
御殿
」エリアです。
中門から先へまっすぐに進むと、ようやく
国宝の金堂
が見えてきます。これは400年前に建てられた当時の紫宸殿を移築したものです。
紫宸殿というのは、歴代の皇族門跡が集まり公式行事などに用いられたものです。
広い敷地に立つ塔
金堂に向かって左側のエリアには御影堂や観音堂があり、右側には五重塔が建っています。
高さは36メートルありますが、上に行くほど屋根が小さくなる
逓減率が低く
、屋根の大きさがあまり変わらないタイプです。
仁和寺といえば春に「
御室桜
」と呼ばれる人の身長くらいの高さで咲く桜が有名で、人がどっと押し寄せますが、なにしろ広いので、これからの時期なら
ゆったり拝観
できそうです。
真言宗御室派総本山仁和寺
- 住所:京都府京都市右京区御室大内33
- 電話:075-461-1155
- 拝観:拝観時間、拝観料などについては、仁和寺御所庭園・霊宝館・茶室など、複数の施設、コース設定が設けられており、各所によって割り引き設定も異なります。詳しくはホームページなどで確認してください。
洛西の穴場 等持院
長い駅名
嵐電では、 「等持院・立命館大学衣笠キャンパス前駅」 という長い名前になっています。駅名にもなっている等持院ですがしかし、ほとんど有名ではありませんし行ったことのある人も少ないでしょう。たしかに、大きくもなく派手さもない地味なお寺です。
かつては、室町将軍
足利尊氏の菩提所として、葬儀も行われた
といいます。寺名は尊氏の法名つまり戒名から取られています。
しかし応仁の乱と室町幕府衰退によって荒れ果て、その後豊臣秀吉によって復興しますが、幕末になると朝廷派から目の敵にされました。
映画撮影所だった
昭和になるとここは映画の撮影所として人を集めるようになります。しかし戦後は太秦撮影所がメインになっていきました。
若狭出身で、ここへ丁稚奉公に来ていたという作家・水上勉氏は、半世紀ぶりに訪れたときの寺の変わりように嘆いたといいます。
それでも、寺には
足利15代の将軍木像が残り、2つある庭園は素晴らしい
ものです。
実はここにはアフリカ文化人類学者の第一人者で京都大学名誉教授、和崎洋一氏のお墓があります。ネットで検索しても一切出てきませんし、そもそも和崎先生を知る人ももう少ないのでしょう。晩年は愛知県の中部大学で好きなフィールドワークとウィスキーを楽しんだといいます。今年でちょうど30回忌になります。
臨済宗天龍寺派 等持院
- 住所:京都市北区等持院北町63番地
- 電話:075-461-5786
- 拝観時間:9:00~16:30
- 拝観料:大人 500円/小人 300円
京都の表と裏
京都は日本国内だけでなく世界的な観光地といっていいメジャースポットです。
仁和寺のような
典雅でロイヤルな世界遺産
がひとつやふたつじゃないので、奇跡的な都市といえます。
その影で衰退する場所や人もあります。今のメジャーは、1000年後のマイナーかもしれません。
昭和天皇は、敗戦後退位して仁和寺へ出家するという計画があり、実際に移った際の建物まで相談していたといいます。
出典・参考
やってみよっか?