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ニュージーランド 先住民|深く根付いている先祖への誇り

皆さんは、ニュージーランドの先住民「マオリ」を知っていますか。

ニュージーランドのラグビー代表オールブラックスが試合前に踊る「ハカ」をご覧になったことはあるかもしれません。

もしくは、マオリの人口の多い「ロトルア」地方に行けば、マオリの言葉や建造物により多く出会うかもしれません。

この記事では、ニュージーランドの先住民「マオリ族」について、彼らが現在まで継承している文化を深く掘り下げて見ていきましょう。

ニュージーランドの先住民族「マオリ族」|歴史と文化

歴史

隣国オーストラリアの先住民「アボリジニ」は、 現在全人口の4%ほど と言われており、残念ながら観光客との日常的な交流はほとんどないのが現状です。

それと比較し「マオリ」はニュージーランドの先住民で、 1,000年ほど前にニュージーランドへ やってきたと言われています。現在、 マオリはニュージーランド人口の約14% を占めており、彼らの言語や文化は各地で色濃く残っているので、旅行の最中もたくさん目にすることでしょう。

マオリ伝統の踊り「カパ・ハカ」

マオリの伝統芸能で、マオリ語で 「ラインダンス」 という意味です。

現在のニュージーランドでは、 特別な行事の際 に披露されることが多いようで、そのパフォーマンスは 歌、呼びかけ、踊りなど を組み合わせており圧巻です。

マオリの集会所「マラエ」

国内各地にマオリの集会所「マラエ」があり コミュニティにとっては大切な憩いの場 となっています。

マラエは特定の部族や家族・親戚に属する施設で、マオリの人々は「トゥランガワエワエ(自分たちが立つ場所、属する場所)」として認識していて、 集会をはじめ、祝い事、葬儀、教育などさまざまな重要行事 が行われています。

マオリの歓迎の儀式「ポフィリ」

「ポフィリ」はマオリに伝わる歓迎の儀式です。文化に基づいた一連の手順がありますが、体験できる場所は国内にも多く残されています。

マラエの外でウェロ(挑戦)>歓迎の呼びかけ>スピーチと歌>挨拶と食事の流れが一般的ですが、 儀式の最後の訪問者とホストがお互いに鼻を合わせる「ホンギ」はマオリの友好の挨拶の象徴的場面 と言えるでしょう。

マオリのタトゥー「タ・モコ」

マオリの人々の大切なアイデンティティとなっていたのが、タトゥー(刺青)の「タ・モコ」です。

ファカパパ(祖先)や個人の歴史が反映 されているほか、 昔は社会的地位や婚姻資格などを示す重要な記号として機能 していたようです。

伝統的には、 男性は顔やお尻 女性は唇やあご にモコを入れてマオリの文化を体現していました。

マオリのアート「トイ」

「トイ」とは、マオリの生活に根付いたさまざまなアートを指します。

代表的なのは、 ハラケケ(ニュージーランド・フラックス)の葉っぱで紡がれた編み物「ラランが」 です。マオリが初めてニュージーランドにたどり着いた時、故郷のポリネシアとの気候の違いに順応するために、先祖から受け継いだ手法で生活用品を作ったのが起源とされています。

また、 ファカイロ(マオリの伝統彫刻) は部族の歴史や文化、伝統など、独自の物語を表現しています。マオリの伝統では彫刻は男性の仕事で、大切な装身具や武器、道具、楽器、建物の壁や柱などに施されています。

ポプナウ(ヒスイの一種)などを使用して作られる首飾りはかんざし は地位や身分を示す装飾品ですが、現在もなおアクセサリーの材料として使われ、 観光のお土産としても大人気 です。

マオリの伝統料理「ハンギ」

「ハンギ」 マオリ食文化で代表的なもの ですが、現在もツアーなどで気軽に味わうこともできます。野菜や肉などをフラックスの葉っぱで包み、地熱の熱と蒸気を利用してじっくりと蒸し焼きにする「ハンギ」は素材の味を活かして美味しく仕上がります。 燻製に似た土と煙のかすかな香りが特徴 です。

マオリの文化に触れられるスポット

タマキ・マオリ・ビレッジ

ロトルアの緑豊かな森林の中で、 マオリ文化や歴史を存分に体験できる施設 です。

ビレッジ内では、歓迎の儀 「ポフィリ」 に始まり、 カルチャーショー、気迫あふれるハカ、伝統料理のハンギ などを目の当たりにすることができます。

ミタイ・マオリ・ビレッジ

こちらも、ロトルアにある、マオリ文化が体験できる施設です。

昔ながらの衣装に身を包んだ戦士達が戦闘用カヌーに乗って登場し、観光客を聖なる泉へ誘うのが印象的なスタートです。

テ・プイア

文化センター「テ・プイア」では、 繊細な彫刻が施されたマオリ伝統の建築物 が並んでおり、ここでも マオリの歌やダンス を楽しみながら、伝統料理の 「ハンギ」 を味わえます。

さらに、珍しいことにマオリ文化や彫刻の技術を継承するための 専門学校 もあり、学生たちが作品を制作する様子を見学することも可能です。

ワイタンギ・トリティ・グラウンド

1840年2月6日、 英国政府から派遣された代表団と北島北部の主要なマオリの首長たちとの間 で、ニュージーランド近代国家形成の礎となる ワイタンギ条約 が締結されました。

「ワイタンギ・トリティ・グラウンド」はその 締結の地 として、マオリ文化の歴史の中でも大切な場所です。

ニュージーランド国立博物館「テ・パパ・トンガレワ」

マオリ文化についてのみでなく、 ニュージーランド全土について学べる国立博物館 です。

6つの各フロアには 参加型の展示 があり、より Interactiveな学び が期待できます。

また、「テ・パパ」は「宝物館」という意味があり、まさに、ニュージーランド国民が全力で守ってきた先住民や自然の宝物たちと出会うことができます。

現代のニュージーランドにおけるマオリ文化

マオリ・ランゲージ・ウィーク

ニュージーランドでは、マオリ語が 公用語 として認められており、 職場や学校でも「マオリ・ランゲージ・ウィーク」 と称して毎年に一回マオリ語の促進に努めています。

メディアなどでも積極的にマオリ語を使うなど、大切に継承されています。

マオリのテレビ局

2004年 には、政府がマオリ文化とマオリ語の活性化の一環として、マオリのテレビ局を開設しました。このチャンネルは大成功を収め、 マオリの文化、言語に留まらず、彼らの考え方や価値観などを発信する大切な場の一つ となっています。

マオリの学校や幼稚園

1980年代にはマオリ語とマオリ文化を守る取り組みとして、オークランドでマオリの学校や幼稚園が設立され始め、現在ではこのような教育機関が 全国に約500箇所 あります。

今もなお、しっかりと継承されるマオリ文化

ラグビーなどのスポーツ公式大会や教育現場など、マオリ文化は多くの場で大切に受け継がれていることが分かります。

また、マオリ文化や食事を実際に体験できる 「マオリ・ツーリズム」 もその大役の一部をしっかりと担っています。

前述の「ロトルア」などで本物の伝説や文化を体験できることは、ニュージーランドの素晴らしい景観を楽しむと同等の価値を見出し、国内外の旅行者を魅了し続けているのです。

※交通機関や施設の料金、時間等は予告なく変更になる場合があります。最新情報は公式サイトも合わせてご確認ください。

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