【日帰りバスツアー】長崎 世界遺産集落 潜伏キリシタンの里「そとめ」をめぐる旅 映画の舞台と世界遺産集落を見学＜長崎駅 発着＞

潜伏キリシタン文化資料館は、外海（そとめ）エリアの潜伏キリシタンについての調査研究成果を公開するために開館されました。潜伏キリシタンの子孫が伝承したマリア観音や十字架、ロザリオなどを保存、公開しています。パネルを用いて分かりやすく説明し、潜伏キリシタンの宗教文化伝統の独自性や価値を伝える施設となっています。

潜伏キリシタン文化資料館から徒歩で移動し、黒崎教会へと向かいます。黒崎教会は、1897年にド・ロ神父の指導で造成され、1920年に完成しました。遠藤周作氏の小説「沈黙」の舞台としても知られています。聖堂は信徒が奉仕と犠牲の結晶としてひとつひとつ積み上げたレンガで造られ、両手を広げて建つ聖マリア像が、訪れる人々を優しく出迎えてくれる姿が印象的です。

黒崎教会の南側の丘にある、キリスト教の日本人伝道師バスチャンの師、サン・ジワン神父を祀ったキリシタン神社。潜伏キリシタンの聖地とされ、人々からは親しみを込めて「枯松さん」と呼ばれています。神父は潜伏時代、枯松山にある岩屋に隠れ住み、亡きがらは神社が建つ場所に埋葬されました。神社周辺には、板石を伏せて置くキリシタン墓が残っています。

出津教会堂は、ド・ロ神父が村民の貧しい生活を改善するために私財を投じ、信者たちと力を合せて完成させた、明治前期に建設された希少な初期教会堂のひとつです。建造から2回の増築まで同じ神父が設計・施工した歴史的にみても大変希少な実例を持つ教会で、国の重要文化財に指定されています。旧出津救助院は、女性の自立支援のための作業場として、1883年にド・ロ神父が設立した施設です。ここでは、織物や縫物、食品加工などの技術を教えることで、人々の生活向上や社会生活の拠点として、さまざまな活動が行われました。

ド・ロ神父が、1893年に私財を投じて建てた小さな巡回教会。大野集落の26戸の信者のために自ら設計し、信者とともに建てたといわれています。その特徴的な壁は、大野集落にあった玄武岩を積み上げて漆喰モルタルで固めてつくられており、ド・ロ神父が考えた工法であることから地元では「ド・ロ壁」と呼ばれています。

禁教令により宣教師たちが全て国外に追放されたあと、そとめ地域では「バスチャン」という日本人伝道者が、厳しい取締りの中、追っ手から逃れながら潜伏キリシタンたちを指導したといわれています。バスチャンは、外海や浦上、五島の人々から、日繰りや予言などを残した人物として語り継がれてきました。現在、牧野地区の山中にはバスチャンの隠れ家をイメージした建物が建てられています。

小説『沈黙』の舞台となった外海（そとめ）地区。独自の歴史と文化を持つ外海に魅せられた遠藤氏は、執筆後もこの地をたびたび訪れ、「神様が僕のためにとっておいてくれた場所」と語ったと言われています。青い海の広がる「角力灘（すもうなだ）」を見下ろして建つ文学館はすっきりとしたデザインのおしゃれな建物で、エントランスホールには『沈黙』の文学世界をイメージしたステンドグラスがはめ込まれています。館内には生前の愛用品や遺品のほか、生原稿や蔵書などが展示され、彼の生涯や足跡を紹介しています。

遠藤周作文学館に隣接する道の駅、「夕陽が丘そとめ」。物産販売所では、地域の農林水産物、 ド・ロ様そうめんなどの地元特産品や工芸品を販売しています。