長町武家屋敷跡は加賀藩を支えた中級武士の居住地域になり、黄色がかった土壁に屋根のついた土塀に囲まれた石畳の小道は趣があり、当時の武士の生活を感じられるスポットです。外敵を防ぐ目的もあったとされるこの土壁は迷路のようになっていて、冬には土塀を雪から守る「こも掛け」が見られます。長町武家屋敷跡近くを流れる大野庄用水は木材の運搬や融雪、武家屋敷の庭園の曲水などに利用されていました。最寄駅はJR北陸本線の金沢駅になり、香林坊バス停から徒歩5分ほどのところにあります。
歴史
能登領主の前田利家が功績により加賀を与えられると、1583年（天正11年）に金沢城に拠点を移し、その後は越中を与えられ、加賀は100万石の城下町として栄えてきました。前田利家と共に金沢に居を移した野村伝兵衛信貞家は、この地に1000坪ほどの屋敷を建て、前田家の直臣として奉行職などを歴任しました。明治に入り武家制度がなくなると、屋敷は塀などの一部を除いて解体されてしまいますが、昭和初期に加賀藩の豪商、久保彦兵衛の屋敷の一部を移築して現在の状態になりました。
見どころ
長町武家屋敷跡には、野村家、高田家などの屋敷跡がありそれぞれ見学ができるようになっています。野村家跡では、精巧な細工の格天井の上段の間や数寄屋建築の茶室があり、ここでは抹茶とお菓子をいただけます。庭園は樹齢400年のヤマモモ、曲水に住む鯉や苔がむす石、そしてたくさんの植物が風流な空間を演出していてます。アメリカの日本庭園雑誌のランキング3位入ったり、ミシュランのグリーンガイドジャポンに2つ星の観光地として掲載されるなど、海外からも高い評価を得ています。
