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初心者向けの山でハイキング | 軽い気持ちで行ってみたら疲労で死にかけた話

登山初心者にも優しい山ってどんな場所だと思いますか。普段登山をしない人間にとっては標高の高い山が難易度の高い山だと考えてしまいます。しかし、実際には標高だけが難しさの指標ではないようです。

アウトドア専門店で登山靴を買う

店員さんおすすめの山は平標山と両神山

登山の全くの初心者であった筆者は、友人と一緒にアウトレットにあったmont-bellにて登山道具を物色してみました。右も左もわからない状態の私は友人に助言を求めてあれこれ騒ぐことしかできませんでした。

しかし、とあるコーナーで筆者の足が止まりました。それが、"登山靴コーナー"です。登山靴と行ってもテニスシューズのように靴底の厚みや履き心地などが大きく異なります。とはいえ、全くの初心者なので、明確な違いがわかるはずもなく、ああでもない、こうでもないと登山靴コーナーで行ったり来たりしていると、店員さんが近寄ってきて、「何かお探しですか?」と質問してきてくれました。

そこで、「これから登山をしようと考えている」と話すと、おすすめの厚底の靴(写真を参照)と初心者にも行けそうな山の候補を挙げてくれました。それが平標山と両神山でした。

どちらがいいか迷った結果両神山へ

これらの山は立地と山の条件が大きく異なります。平標山は新潟県にある標高1,983メートルの山です。山頂からは見渡す限りの高原が広がる山のようです(写真はイメージ)。

一方で、両神山は秩父にある標高1,723メートルの山で、この時期は天気が良いと富士山も一望できる山だそうです。

友人との協議の末、秩父の両神山を登ることを決定!やっぱり、新潟は遠すぎました…。また、後から聞いた話なのですが、この両神山は日本100名山に選ばれる程の名山で、この時期になると登山客もこぞってこの山にやってくるそうです。登山靴を買い、登る山を決めた私たちは意気揚々と他の登山道具を物色しました。

両神山への登山開始

待ちに待った両神山への登山の日がやってきました。遭難や山地図の確認のためにYAMAPをスマホに入れ、登山経路と所要時間を確認しました。どうやら、往復で6時間程度の道のりらしいです。

日向大谷登山ルートという初心者?向けのコースを選択しました(流石に初心者の内から難易度の高いルートは選べない…)。駐車場に車を泊め、登山靴を履いて、リュックを背負いながらの登山がスタートしました。

最初は緩やかな上り坂

登山がスタートして「山小屋まで」という立て看板が見えてくるまでは少し傾斜のある山道という印象でした。道は舗装されていませんが、そこそこ道幅もあって、「あ、ここで落ちたら死ぬな」という場所は少なかったです。

ちなみに、今年に入ってから何名かは遭難や事故死をしているという注意書きがありました(山登りは危険なレジャーと言われる所以がわかります)。また、昨年の台風の影響で日向大谷登山ルートから行ける難易度の高い山道は閉鎖されており、予定通り日向大谷登山ルートで登山をしました。

中継地点の山小屋までは地獄の上り坂

「この調子なら往復5時間も夢じゃない」と高を括っていた私たちでしたが、立て看板あたりから山道が一変。急峻な山と表現されるような傾斜があり、足場の悪い登山道に様変わりしました。慣れない登山靴を履いていたからか、途中から筆者のかかとに異変が発生。

また、ジーンズを履いてきたのが失敗で、脚の可動域が狭く、そのことがより一層脚へのダメージを大きくしました。山小屋への到着予定もわからないまま、途中で休憩ばかりしていました。

時間帯はもう昼頃だったこともあり、続々と先発の登山客が下山してきます。よくよく登山客を見てみると、年配の方も多い印象でした。「若いのに負けてられない!」と最後の力を振り絞って山小屋まで辿り着きました(色々と省略しましたがめちゃくちゃきつかったです)。

山小屋で登るか下山するかを真剣に議論

やっとの思いで山小屋に着いた私たちは「登るか下山するか」を真剣に議論しました。山小屋までの道のりを一緒に奮闘した中年の夫婦もごはんを食べながらそのことについて議論していました。

YAMAPや看板には「あと1時間程度」とありますが、山小屋までの道のりで1時間前後も遅れてしまった私たちの体力はほぼ限界。足先の痛みや疲労がピークでした。加えて、水も少なくなっていたので、ギリギリの状況でした。しかし、「何とか初めての登山を成功させよう!」と二人で決意し、登り始めました。

山小屋で山登りの継続を決意

細いジグザク道を行く

山小屋からの道は道なき道を行くハードな登山道でした。しかし、山小屋までの道と比べれば先が見える分、気持ちが楽でした。ある程度進むと岩山の部分が多くなってきました。「ここからがいよいよラストスパートか」と気を引き締めました。

ラストスパートで鎖場を登る

ラストスパートになると、岩山にチェーンが掛かっている場所が多くなりました。「山登り」から「岩登り」に変わり、困惑していた私たちでしたが、意外なことにそこまできつくはありませんでした。これは推測ですが、脚力に依存する一般的な登山道とは異なり、鎖場は腕の力で進むことができるので楽に感じるのでしょう。

写真のような鎖場を何度も登り、神社に差し掛かったあたりからようやくなだらかな傾斜に変わりました。神社から30分後、待ちにまった山頂からの光景と対面することができました!

富士山を見渡す絶景

山頂からの景色には感動でした。天気が良かったので遠くには富士山が見え、周りを秩父多摩甲斐国立公園の自然と山々が連なっていました。それまでは口を開けば後悔や文句しか言っていなかった私たちですが、疲れも後悔も吹き飛びました。

おすすめされた"初心者向けの山"は筆者にはハードすぎたが、山頂からの景色に感動した

これまで見てきたように、両神山は初心者には厳しすぎる山という印象でした。おそらく、普段からトレーニングを重ねている人にとっては標準的な山なのでしょうが…。下りも下りでふくらはぎとつま先に結構なダメージが蓄積することがわかり、山小屋で仮眠を取ってしまうまで疲れ切ってしまいました。下山後に友人とこんな話をしました。「登山は当分は遠慮しておこう」と。

後日、当然のことながら筋肉痛になり、階段の登り降りをする度に悲鳴をあげていました。しかし、不思議なことに、記事を書いている今となっては"いい思い出"として記憶されているのです。

また機会があったら、平標山や近隣の山も登ってみようと思います。

やってみよっか?

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