【滋賀】長浜市で観音巡礼 慈愛に包まれる3スポット<渡岸寺・石道寺・鶏足寺> image

【滋賀】長浜市で観音巡礼 慈愛に包まれる3スポット<渡岸寺・石道寺・鶏足寺>

滋賀県の長浜市は、市町村合併前は浅井郡という名前でした。

この地には、平安時代から室町時代にかけての観音菩薩像がたくさん残されています。国宝になっている通称高月観音のほか、女性のための観音様など狭いエリアに複数の仏像が集中しています。

観音巡礼と言えば広域な西国33箇所ですが、1エリアで観音様を巡礼してみましょう。

表現のしようがない姿 渡岸寺11面観音菩薩像

収蔵庫に安置された国宝11面観音と2つの如来像

仏像は湿度や空調が整えられたコンクリート造りの収蔵庫にあります。山門からまっすぐに入った本堂の観音堂にいったん入り、ご挨拶してからそのまま袖の通路から収蔵庫へと続きます。車椅子などの方でもスロープで直接収蔵庫へ至ることができます。

収蔵庫内では自動録音アナウンスのほかに 専属の説明員 の方が解説して、個別の質問にも答えてくれます。撮影は禁止です。11面観音と大日如来と阿弥陀如来(いずれも国の重要文化財)の計3体安置されています。国宝の11面観音は裏にもまわれて 全方位から鑑賞 できます。この観音様の幾分腰をひねった姿は、美しいとか傑作とか素晴らしいとか、あらゆる言葉を使っても表せない4次元的な存在です。

廊下にこの観音様を模した木像がありました。

観音様への人々の想い

境内にはこの 観音様を埋めた場所 があります。1571年の 姉川の戦い では、この近くを流れる姉川で浅井長政・越前の朝倉の連合軍と織田信長・徳川家康軍の激しい戦いがありました。 兵火に焼かれる前に 近所の人たちが土中に埋め、難を逃れていたと伝えられる場所です。

また、「天平の甍」などで有名な作家井上靖が「星と祭」を書くときに何度もここを訪れたことから文学碑も建っています。

渡岸寺

  • 住所:滋賀県長浜市高月町渡岸寺50
  • TEL 0749-85-2632
  • 入館料:500円
  • 駐車場:あり、無料
  • 営業時間: 9:00~17:00

危機の観音様たちと歴史の道の駅へ

子授けの観音様 石道寺

渡岸寺から車で10分ほど山手へ入ります。あたりは民家もまばらで、山の中にひっそりとしています。ここの本堂の中に安置されている11面観音様は昔から 子授けの観音様 といわれています。この地でずっと子供が授からなかったご婦人が祈願したところ授かることができたという話がさきほどの井上靖の小説にも出てきます。

現在の感覚からいえば、不妊治療だとか男のほうに問題があるとか、いろいろ現実的で科学的な話が出るところですが、昔は信じることが大切で、人間味のあるところだと思います。

石道寺

  • 住所:滋賀県長浜市木ノ本町石道
  • 電話:なし
  • 拝観料300円(30名以上の団体は200円)
  • 駐車場:あり、無料
  • 営業時間:9:00~16:00
  • 2022年6月現在、新型コロナウイルス感染予防のため、閉館中です。再開については未定です。

さらに山奥の鶏足寺・己高閣・世代閣

石道寺からさらに山奥にあります。車も途中までしか行けず、登山で上るしかありません。

お寺はもちろん無住です。長浜市でもこのエリアは過疎化が進んでいます。

11面観音をはじめ薬師如来など多くの文化財が収蔵されていますが、今は 事前に予約 をしてからでないと拝観できません。そしてここも石道寺と同じく、現在は新型コロナウイルス感染予防のため、閉館中で拝観再開時期は未定です。

鶏足寺

  • 住所:滋賀県長浜市木ノ本町古橋
  • 電話:なし
  • 拝観料:己高閣、世代閣両方で500円(20名以上団体は450円)
  • 駐車場:なし
  • 営業時間:9:00~16:00

屋台のたこ焼きがすごい・道の駅 浅井3姉妹の郷

高月町の渡岸寺から南へいくと、道の駅があります。施設の中では地元の野菜などを直売したりレストランもあるのですが、ここで屋台を出しているサボテンという店の たこ焼きが安くてデカくてうまい 、びっくりしました。6個入り300円なのですが1個が大玉で、タコも大きく、出汁が利いてうまいです。ぜひ寄ってみてください。

道の駅 浅井三姉妹の郷

  • 住所:滋賀県長浜市内保町2843
  • 物販施設 9:00~18:00 年中無休(年末・年始を除く)
  • レストラン 平日 11:00~14:30(ラストオーダー 14:00)土・日・祝日 11:00~(ラストオーダー 15:30)
  • TEL 0749-74-1261
  • 駐車場 あり、無料 大型:11台 普通:70台

ちょっと心配な町と観音様

400年前の戦乱の世に、この地区の人々は観音様を守るために土に埋めたり川に沈めたりして必死でした。

現在、経年劣化を防ぐためなるべく 状態の良い室内で保管 されています。しかし、コロナウイルスのため閉館を余儀なくされているお寺が多くあります。問題はコロナウイルスだけではなくて、やはり背後にこの地区の 高齢化や過疎化 が影響していると思料します。

さらにいえば、お寺離れなど信仰上の問題も含まれます。このままいくと、近い将来誰も観音様を管理する人がいなくなり、予算的にも維持できなくなるかもしれません。400年前に命がけで守った人たちのことを考えると、少しでも足を運ぶしか私たちにできることはありません。

やってみよっか?

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