日本で起きた革命の名残り!【山口県の世界文化遺産】明治日本の産業革命遺産 ~製鉄・製鋼、造船、石炭産業~ image

日本で起きた革命の名残り!【山口県の世界文化遺産】明治日本の産業革命遺産 ~製鉄・製鋼、造船、石炭産業~

日本には25つ(*2021年時点)もの世界遺産が登録されており、山口県萩市にも、そのひとつである「世界遺産 明治日本の産業革命遺産」を構成する資産が5つ存在しています。萩に残る産業革命の軌跡をぜひ訪れてみませんか?

世界遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼・造船・石炭産業」とは

概要

明治日本の産業革命遺産 」は西洋地域以外の地域において初めて日本が幕末から明治期という短期間のうち産業化を果たし、飛躍的な発展を成し遂げたという証拠の遺産群です。

2015年に登録され、日本全国の8県(岩手県、静岡県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県)にまたがり、全部で23つの構成資産から成り立っています。このようにいくつも地域や資産から構成される世界遺産は「シリアル・ノミネーション」と呼ばれています。

山口県萩市には全部で5つの資産があり、これらは 全て1850年代の革命の初期に建てられたもの です。幕末であるこの時期は、欧米列強の脅威に対し海防強化の必要性から、軍艦や大砲などの装備を自国製造する為に試行錯誤を重ねていたという背景があります。

山口県にある 5つの構成資産

松下村塾(しょうかそんじゅく)

松下村塾は幕末期に吉田松陰が主宰した私塾 です。天保13年に松陰の叔父が私塾を開いたのが始まりで、1857年(安政4年)の時に吉田松陰が引継ぎました。今もなお陰神社の境内には幕末当時の塾舎が現存しています。塾生達の指導に当たったのはわずか1年余りの間と言われていますが、 久坂玄瑞や高杉晋作、吉田稔麿、伊藤博文、山縣有朋、前原一誠 など、明治維新から明治新政府に活躍する人物を輩出しています。

住所:萩市椿東1537(松陰神社敷地内)
アクセス:萩市街より車で約10分

萩城下町(はぎじょうかまち)

萩城城下町は毛利輝元が1604年(慶長9年)に萩城を築き、その周りに武家屋敷が軒を連ねた城下町で、 「萩城跡」「旧上級武家地」「旧町人地」の3区画 からなっています。一部は重要伝統的建造物群保存地区にも指定されており、厳しい規制のもとに保存されてきた為、現在でも古地図で散策できると言われています。

  • 萩城跡

萩城は「本丸」「二の丸」「三の丸」から形成されていましたが、現在は消失しています。天守閣などがあった本丸は現在は「萩城跡」として入場することができます。

  • 旧上級武家地

藩の政治や行政に関わる建物や、身分の高い武士が住んでいたエリア です。旧町人地と区別する為、南北約670メートルは外堀がありこのエリアは「堀内」と呼ばれていました。

  • 旧町人地

武士や商人も住んでいたエリア です。木戸孝允旧住宅や、伊藤博文や高杉晋作らが訪れたといわれる円政寺など、著名人にまつわるゆかりの地が数多く残っています。日本の伝統工法「なまこ壁」や白壁の美しい建物が残り、着物散策にもピッタリのエリアです。

住所:山口県萩市呉服町周辺
アクセス:JR東萩駅から徒歩で約20分

大板山たたら製鉄遺跡(おおいたやまたたらせいてついせき)

大板山たたら製鉄遺跡は、山口県内で最大のたたらの遺跡で、2012年(平成24年)に国指定史跡となりました。江戸時代から明治時代にかけて操業し、ここで製鉄されたものが「恵美須ヶ鼻造船所」で造船した有名な軍艦「丙進丸」にも利用されたことが古文書から確認されています。 元小屋・高殿・砂鉄掛取場・鉄池・鍛冶屋等の施設の遺構がよく保存されており、こちらは見学することが可能 です。

住所:萩市大字紫福10257-11
アクセス:萩市街より車で約40分

恵美須ヶ鼻造船所跡(えびすがはなぞうせんじょあと)

恵美須ヶ鼻造船所跡は、萩藩が設けた造船所の遺跡 です。幕末には「丙辰丸」と「庚申丸」の2隻の西洋式帆船が進水しました。日本では数少ない西洋式造船所の遺構で、近代技術の導入期を知る為の遺産とされています。現在も当時の規模の大きさの防波堤が残っていますので、その時期に造られた船の大きさを感じることができます。関連する構成資産として「萩反射炉」や「大板山たたら製鉄遺跡」がありますので、ぜひ合わせて見学し、産業革命の軌跡をたどってみるのはいかがでしょうか。

住所:萩市椿東5159-14
アクセス:萩市街より車で約10分

萩反射炉(はぎはんしゃろ)

反射炉とは銑鉄を溶かし、優良な鉄を生産するための炉のことです。この萩反射炉は萩藩が1856年(安政3年)に、西洋式のより頑丈で精巧な鋼鉄製の大砲を製造することを目的として建設しました。日本ではこの萩反射炉と、静岡県にある韮山反射炉の2か所のみが現存し、日本の産業技術史上、非常に貴重な遺跡として位置づけられています。

住所:萩市椿東4897-7
アクセス:萩市街より車で約10分

おすすめの楽しみ方

ガイド付きウォーキングツアー

素晴らしい萩の町を次世代に引き継ぐため、 歴史や文化、自然を守り活用する取り組みを行っている「NPO萩まちじゅう博物館」さんが催行しているウォーキングツアーでは、地元を愛するガイドさんが萩城や堀内伝建地区を案内してくれます。個人で散策するよりも、2倍3倍も萩の魅力を感じることができます!ぜひ古地図を片手に歴史散策に出かけてみましょう。

自分で巡るレンタカー

萩城下町は萩市内にありますが、それ以外の構成資産へのアクセスは車利用が便利です!それぞれの資産の近くには駐車場(一部有料)もありますので、ご自身のペースで巡りたい、ご家族やご友人とのプライベートな空間を大事にしたいという方にはオススメです。

産業革命の初期をめぐる 萩の旅

萩市には日本の産業革命を支えた豊かな自然、高度な技術そして人々の歴史があります。その功績はいまもなお引き継がれ、現在は観光地として多くの人を魅了しています。

ぜひ萩市で日本の歴史に触れる旅、してみませんか?

出典・参考

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