バリ島には「バリ州の文化的景観:トリ・ヒタ・カラナ哲学に基づくスバック灌漑システム」という世界遺産があります。これは、スバックというシステムに係る5つのエリアをまとめて登録されたもので、そのひとつがウルン・ダヌ・バトゥール寺院です。スバックとは9世紀からあるシステムで水源からの水を管理するシステムで、古来から稲作が発達しているバリ島には必要なシステムです。ウルン・ダヌ・バトゥール寺院は水の神であるバトゥール湖の守護神デウィ・ウルン・ダヌという女神が祀られていて、バトゥール湖を見下ろすように建てられています。ウルンは「先端」、ダヌは「湖」という意味です。
歴史
この寺院の建立の歴史は1世紀のデットヤ・ジャヤ・バングスという王とその妻で中国から来たカンまで溯ります。その後、1917年と1926年の二度にわたり、バトゥール山が大噴火を起こしました。大量の溶岩に村は壊滅しましたが、寺と本堂は残り、犠牲者も出ませんでした。このことから村人は神の加護をさらに信じるようになりました。村人は村と寺院を今のバトゥール湖を望む場所に少しずつ移して、今の姿になりました。寺院が大きくなった今も、ヒンドゥー・ブッダの寺として多くのヒンドゥー教徒が訪れています。
見どころ
境内には多くの塔や堂などが立ち並びます。11層の塔をはじめとして、特に割れ門に続く炎 のような形をした門は迫力があり、見どころになっています。奥には異教徒の入れない広場などもあります。また、ウルン・ダヌ・バトゥール寺院からバトゥール湖を望む景観は絶景で、バリ島の山の観光地の中でもとくに美しいと言われています。このあたりの高原をキンタマーニ高原と呼びますが、日本語ガイドがふざけてわざと強調して女性の客を赤面させるジョークも有名です。