ルイス・バラガン邸と仕事場は、20世紀メキシコを代表する建築家の一人であるルイス・バラガンが、後半生を過ごした自宅兼仕事場です。2004年に、ユネスコの世界遺産に登録されました。コンクリート作りの三階建てで、総面積は1161 m2 である(これがそのまま世界遺産としての中核地域になった)。彼の建築は内部空間の使い方や庭園に特色があり、伝統とモダニズム建築を融合させたそのスタイルは、他の建築家たちにも影響を及ぼしました。
歴史
ルイス・バラガンは、1939年頃にメキシコシティ郊外に土地を購入し、その一部に1948年に自宅兼仕事場を建て、フランシスコ・ラミレス将軍通りの12番地と14番地に位置し、12番地は仕事場、14番地は自宅に当たります。それぞれの建物は結ばれていますが、通りに面した入り口もそれぞれについています。バラガンは1988年にこの邸宅で亡くなりました。同じ年には、邸宅部分(14番地)が国の芸術的記念物(National Artistic Monument)に指定されています。
見どころ
外観が周囲との調和を意識した簡素なつくりである一方、屋内では、玄関ホールは黄色、中央ホールはピンク色といった意表を突いた鮮やかな配色が目を引きます。緻密な計算のもと、メキシコの強い陽光を建物内に取り入れる工夫がなされています。バラガンが敬虔なクリスチャンだったこともあり、各所に十字架をモチーフとして使用しているのも特徴です。リビングルームからは中庭を望むことができ、ブーゲンビリアなど中米原産の植物と溶岩を組み合わせた景観を楽しめます。