テクニック不要、空き瓶でお洒落にお花を飾る方法
長く寒い冬にも別れを告げ、ようやく春の訪れを感じる季節になってきました。
普段はフラワー&グリーンコーディネーターとして、店舗さんやクリニックを飾ったり、イベントやパーティの装花をしたり、花風水士として鑑定もしながら、フラワーアレンジメントのレッスンをしています。
昨年は、コロナ禍でパーティやブライダル装花はほぼお休み。
ステイホーム期間は「花と緑」「フラワーアレンジメント」についてその存在の意味を私なりに色々と考えた時期でもありました。
お腹を満たしてくれるわけでもないし、命を助けるようなものでもない‥‥ですが、お家にいる時間が長い程、私自身花や緑があることにホッとし、心がざわつく時に花に触れる事でちょっと優しくなれたり自分のご機嫌が保てたりしています。
花を飾ると心地よい幸せ感が生まれますね。
私の学んできたフラワースタイルはパリやベルギー、オランダを中心にヨーロピアンスタイルです。特徴としては、アレンジメントに使用する花材の豊富さ、そして緻密なテクニックにあります。
色とりどりの様々な素材から自由な発想で生み出される作品には、珍しい資材や、食材とされる野菜や果物なども登場して、とてもチャーミングで暮らしや心を豊かにしてくれます。
海外でお花を学んでいる時に目にした「花のある暮らし」に私はとても影響を受けました。
自分のために普通に花を飾る、ちょっとしたお礼やお持たせにさらっと花を贈る。その姿がとてもさりげなくて、なんてお洒落で素敵なんだろう!心豊かな暮らしとはこう言う事なのかな‥‥
その時の事は今も鮮明に覚えています。
植物を通して暮らしの中でのクリエーション&エモーションを楽しめるエッセンスをお伝えしていきたいと思っています。
空き瓶に飾ってみよう!
「お花を生けると言っても素敵な花瓶がないし、どうすればお洒落にかつ簡単に生けれるのかな」と言うお声をよく聞きます。
まずは身近なものを使って一本からいけてみましょう。
例えば、ここで使う空き瓶はヨーグルトやジュース・スパークリングワインなど。春のお花の代表とも言えるスイトピーや水仙、ラナンキュラスを挿してみます。
何のテクニックもいりません。ただ、好きなお花を身近にあるものに入れただけ。ですが、お花の透明感や軽やかさが 空間を一気に春の雰囲気にしてくれます。
球根花は、茎の柔らかいものが多く、フローラルフォームにさすよりも花瓶に生けるのに向くものがたくさんあります。
一重から大輪まで約60種類ほどあるラナンキュラス。こちらは「ポンポンハーマイオニー」と言う名前の八重咲きのもの。幾重にも重なる花びらがとても豪華ですね!
ふつうの空き瓶も、お家にあるおリボンで飾ると雰囲気が変わって素敵です。おリボンはセロテープで留めただけの手軽さ。
お気に入りの可愛いものはいざと言う時 ラッピングやディスプレイのお役にたってくれるので、ストックしておくと便利です。
空き瓶の種類を増やしてみる
空き瓶も幾つかまとめて飾ってみたり、色んな種類を混ぜるとリズムが生まれます。あえて背の高さの違う瓶をいくつか並べてみても良いですね。
瓶の種類が統一されていなくても気にせずに。たくさん並べてみると、こんな風に華やかになります。
高低差をつける事でさらにリズミカルに。小さな瓶も台の上に乗せてあげると、簡単に背を高く見せてくれます。飾る場所にストーリーを盛り込んであげれるとより空間が生き生きと見えてきます。
ここでは春らしく、優しい色のパピヨンの小物を一緒に並べてみました。手作りのオリジナルパピヨンはロウで出来ていてアロマの香りも漂います。お花に+αの演出で写真のアクセントにも。
お花が折れたり散った後は
折れてしまったらお水に浮かべて
生のお花は時間と共に開花してやがて枯れていきます。花首がしなだれてきたり、生ける途中で花首が折れてしまったら小さな花瓶やティカップに入れて飾ってあげましょう。
ドライフラワーにして長く楽しむ
風通しの良い所で花を逆さ向けて約1週間から10日程置きます。水分が抜けて綺麗なドライフラワーが簡単に出来上がります。
薔薇は馴染みも深いかと思いますが意外にも春のお花のチューリップやスイトピーも味わいあるドライフラワーになります。
こちらはアネモネ。花瓶からはらりと落ちて気づくとそのままドライフラワーになっていました。アンティークな雰囲気だなと勝手に思い捨てられず可愛がっています。
チューリップもドライフラワーに。葉っぱに厚みがあるので少し長く干しましたが味わい深いものになりました。
お気に入りの洋書をパラパラとめくっていると素敵なチューリップのページを発見。チューリップonチューリップで写真を撮ってみました。
お花を綺麗なドライフラワーにする時のポイントは、濃い色のものを選ぶ事。濃い紫、黄色など色が凝縮して見えます。
グリーンマテリアルはお花よりも簡単にできます。
コアラが食することで知られるユーカリや、レモンの形をしたレモンリーフも簡単にドライフラワーになりますので、お風呂場などで干しておいてそのまま楽しんでいます。
ドライフラワーは不思議だなぁといつも思います。生き生きとしたフレッシュさはもちろん無いですが、静かに佇む花姿が静物画のような美しさ。その後、額に入れるとちょっとしたアートにも見えます。
こんな風に少しずつ姿を変えていく様子を愛でながらインテリアを楽しめるのも、お家時間が長くなったお陰かなと思ってみたりしています。
枯れてきたら小さな花遊び
香り高い球根花ヒヤシンスは小さな小花の集まりです。ひとつずつ取ってお皿に並べてみました。
最近は、「サスティナブル」という言葉も耳慣れてきましたね。お花はその場のエネルギーをプラスに変えてくれますが、悪い気を吸った後に枯れると、花風水では考えます。
最後まで花を愛でてあげ、長く楽しむ工夫を暮らしの中に取り入れてみてください。何気ない日常の中で新しい発見に出会えるような気がします。
アーティフィシャルフラワーを使って
最近ではまるで本物と見間違うようなアーティフィシャルフラワーも、たくさんでていますのでそれを使うのもひとつです!
お水やりもなく、手間要らずで忙しい人や留守がちな人にも大人気。種類も豊富で一輪の中に見るグラデーションの美しさは「造花」と呼ぶにはもったいないほど。
急なお客様の時にも、お茶のひとときも、テーブルコーディネートが簡単に出来てワンランクアップのおもてなしも手軽にできそうですね。
「花のある暮らし」で心も豊かに
優しい色合いの可憐なお花がたくさん出回る一年で最もお花を楽しめる季節です。
身近なものを使ってお家にお花を飾ってみましょう。花一輪がきっと気分を明るくしてくれると思います。
出典元
特集・連載
やってみよっか?