ヘルシンキに隣接するトーロにあります。住宅街にあるルター派の教会ですが、建物の外観は古墳のようにも見える、とてもユニークなモダン建築です。岩の壁の上にドーム型の屋根がありますが、壁を登ることができ、屋根の周りを歩くことができます。屋根と壁をつなぐ部分の窓からは、ふんだんな光が差し込み、教会内は自然光に満ち、自然の岩でできた壁は優れた音響効果を持ち、多くのコンサートが開かれます。日曜日には、礼拝が行われており、結婚式にも人気のある教会です。
歴史
テンペリアウキオ教会の建設計画は、1930年代からありました。建築用地が決まり、設計コンテストの後、ヨハン・シレン氏の設計で建設計画が始まったものの、第二次世界大戦の勃発で中断を余儀なくされました。1961年、新たなコンテストが行われ、スオマライネン兄弟の設計が選ばれました。予算の事情で、オリジナルの1/4のスケールに変更され、1968年にようやく建設が開始し、1969年に教会は完成し、聖別の式が行われました。
見どころ
内部は、自然の花崗岩がくりぬかれた、岩肌むき出しの壁になっています。フィンランドは氷河期に岩が氷河で削られて形成された地形ですが、その跡を岩壁の模様にも見ることができます。自然光が差し込み、祭壇は控えめで、美しいパイプオルガン以外は目立った装飾がなく、それが、厳そかで、静かで、神秘的な空間を作り出しています。自然大国フィンランドならではの、自然のパワーを感じる教会です。夜になると、教会内に明かりが灯され、外からみるとUFOが岩場に到着しているかのようにも見え、違った魅力を見せてくれます。