リスボンの歴史は古く、紀元前13世紀ころから人が住んでいた形跡が確認され、フェニキア人やローマ人、ムーア人とさまざまな民族に統治されてきました。アルファマ地区も古代ローマ時代に建設されていましたが、イスラム教徒であったムーア人の影響が強いのがこの地区の特徴です。街並みや、現在のアルファマという名称はより後のムーア人によって支配されていた時期に由来します。ちなみにアルファマという名はアラビア語で泉や浴場を意味します。
アルファマ地区の見所はその街並みです。1755年のリスボン大地震で他の地区が大きな被害を受けたのにもかかわらず、同地区は比較的被害は軽微でした。その結果、今日まで古き街並みがよく保存されています。この地区に広がる細い迷路状の路地はこの地区がイスラム文化圏であったことを物語っています。加えてレコンキスタにより再びキリスト教の文化圏に属したため、教会も数多く見られ、イスラム教とキリスト教の文化がこの街には混在しており、独特な雰囲気を醸しています。そうした街は丘の上に立つ中世のサン・ジョルジェ城から一望することができます。