下鴨神社は、正式には賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)という京都で最も古い神社の一つです。鴨川と高野川によりできた三角州に位置する豪族賀茂氏の氏神社で、上賀茂神社と合わせて「賀茂社」と呼ばれています。西殿には「建角身命」(たけつぬみのみこと)、東殿には「玉依媛命」(たまよりひめのみこと)を祀っています。本殿は国宝、そのほか53棟もの社殿が国の重要文化財に指定されており、1994年には「古都京都の文化財」の構成資産として世界遺産にも登録されました。また下鴨神社の楼門そばに相生神社という縁結びの神さまが祀られていて、若い女性に人気があります。
歴史
下鴨神社の歴史は古く、紀元前90年頃(崇神天皇7年)に神社の修造がおこなわれたという記録も残っているほどで、平安京が造営される遙か前、神代の時代から神聖な場所だったといわれています。平安京の造営の際にも下鴨神社で造営祈願が行われ、平安朝造営以降も、国家安泰や国民の平安をご祈願する神社と定められました。国宝の本殿は1863年(文久3年)に再建されたものです。京都三大祭のひとつ「葵祭」は、上賀茂神社と合同で行う例祭で平安時代から続いています。
見どころ
【下鴨神社】下鴨神社は京都でも最も古く伝統のある神社で、世界遺産に登録されています。5月15日に行われる京都三大祭のひとつ「葵祭」は、下鴨神社と上賀茂神社のおこなう平安時代から続く祭りで、平安王朝や貴族の風俗を今に残す貴重な祭りです。1月4日には優雅な平安装束で蹴鞠(けまり)の行事も行われます。【葵祭】「葵祭」は「祇園祭」「時代祭」と並ぶ、京都三大祭のひとつで知られ、正式には「賀茂祭」といいます。世界遺産の下鴨神社と上賀茂神社が、5月15日(陰暦四月の中の酉の日)に行う例祭です。「祇園祭」が疫病退散の祈願から始まった庶民の祭であるのに対して、豪族の賀茂氏と朝廷の行事である「葵祭」は国家的な行事で、貴族たちの祭でした。現在もなお平安時代の王朝風俗の伝統が残されています。